尾道意人伝
常に話題が絶えない尾道では、どこからか尾道にやってきて住み始める人、近隣から毎週のように尾道に通う人、さまざまです。尾道意人伝は、尾道でなら出会えるかもしれない「あの人」と、直接お話しする機会をこっそり作る座談会。シリーズ第一弾は、スギノイチヲ氏を迎えます。
おじコスはじめました
スギノイチヲ氏は、普段は商業デザインの一般企業で役員を務める「すてきなおじさま」。その実、おじさんコスプレイヤーことおじコス、それも顔だけの真似ということで、顔面模倣と題し、出来上がった顔を夜な夜なSNSにアップし、電子界の反応をうかがう、まことに変わったライフワークの持ち主です。
いつもの暮らしに1つの刺激をあたえる
コスプレといってもただ似せるためにやるのではありません。
いままで取り上げられたおじコスによる顔面模倣のテーマは、つげ義春や、藤子・F・不二雄など、スギノ氏が昔から敬愛する作家たち。今ではついついスマホで検索をかけてしまうような、しかし大御所の名前が並びます。スギノ氏は、彼らへ、愛をもって、全力で似せて、セロテープや紙やペンで出来上がった顔を、渾身の表情で自撮する。そして、インスタグラムへアップすれば完了です。
「どっか似ている角度が必ずある。何枚も撮影します。」
とは、可愛い角度を研究する女子高生のコメントかと思うほど。
「1枚めちゃくちゃ似てる!と思えたら、すぐ顔を洗います。」
まさに、一瞬の刺激。
「それ以上やると抜け出せなくなるんで」
なるほど。
とある普通の人の暮らし×尾道
移住者の絶えない尾道では、変わった、面白いことをしている人が多いのも事実です。一方スギノ氏についていえば、普段は尾道市より東に位置する福山市に住まう彼は、一般的な家庭があり、仕事もあります。スギノイチヲという名前こそペンネームであるものの、文字上のプロフィールではいわゆる「普通の」すてきなおじさま。そんなおじさまは、昨年尾道でおじコスで撮りためた自撮アーカイブの個展を無事に終えたばかり。なぜ、おじコスを?なぜ尾道で?
「尾道じゃないとできませんから。」
スギノ氏とともに、尾道のこと、自己表現について語ります。
尾道とおじコス
大好きな作家を知ってもらいたいという絶大な愛情が、恥や建前を超えて、夜中に爆発する経緯と今をお話していただきます。尾道ファインダーを通した、シュールで切ない夜のお話をぜひ。
(第一期募集開始12月1日)
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