講義レポート


【教授コラム】「農業・食育・仕事」について /『農夫のしごと』村上智規 教授


講義名:農夫のしごと | レポート公開日:2018年02月22日


『農夫のしごと』村上教授からコラムが届きました。

農を生き甲斐とし愛するひとりの「農夫」として、農夫のしなければならない事、成すべき事とは何か?という問いに日々向き合われている村上教授の文章には、「違いに気付くこと」「自分の体の状態にとって必要なものを探る力」といった、いまを生きる私たちへのメッセージで溢れています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「農業・食育・仕事」について /『農夫のしごと』村上智規 教授

 

「農業」について
近年、農業への関心が高まっているように思うのは、「食べる物を作っている」というイメージが命に関係する仕事であるという意識に繋がっているからではないでしょうか。 私がこの事を意識するようになったのは、採れたての新鮮な野菜の味が、これまで食べていた野菜と違っていたからでした。 普段は忘れているけれど、病気になった時に命や健康を思い出したりするように、美味しいものを食べた時にも身体が直感的に命や健康を思い出している。このように「違いに気付く」という事は、農作業をする中で日常的にやっている農夫の見方の基本になると思います。

 

「食育」について
地産地消の給食に近づけるために学校給食に地元の農産物を農家が直接搬入する活動に取り組んでいるのですが、その活動の一環として小学校で農夫の授業をする事があります。
マスクメロンの作り方や農家になる方法の授業は子どもたちにも喜ばれますが、私が特に伝えたいと思うのは「生きる力」についてです。
栄養学や健康志向の食品の事はあまりよく分かりませんが、食材が美味しいかどうかについて真剣に取り組むことは誰でも次の食事からでも出来ます。
それは自分の体の状態にとって必要なものを探る力を磨く事です。
食材が傷んでいないかどうかを匂いや色で見極めたりする事がありますが、それが出来る為には、本来の姿を知っている事が必要です。
自分に必要なものを知る力とはこうした感覚を研ぎ澄まし、野生の本能のような力を発揮していく事です。
この力を現実的に使用可能なところまで高める事がすぐに出来るという訳ではありません。実は、子ども達にこの力があると意識させる事が農夫の授業の目的です。「食育」はそこから始まると思うからです。

 

「仕事」について
世の中には沢山の種類の仕事がありますね。私は、そのどれをとっても人の役に立っていないものは無いと思っています。
すぐには役に立ちそうもない研究を続けている人達や、解決策がなかなか見出せない話し合いを続けている人達、未熟なために思いがけず人に迷惑をかけたりする場合もその意図に関わらずいつか必ず人の為に成ります。また、本当に自分の興味だけで選んだ職業であったり、特に職業にするつもりもなく続けていた事がいつの間にか人から感謝されたり求められたりする事もあります。

いつ、どこで、どうなるのか分からない。分かっている事は、それを為す人が「しなければならない」と感じている事だけです。
そういうわけで「しなければならない事」「成すべき事」と感じている事を人の世の中でするものすべてを私は「仕事」と言います。もしも一生続けていられるような仕事が出来たときは、喜んで良いと思います。

例えば・・農夫は野菜を作ります。
何の野菜をどういう方法で作って、どんな計画で販売をするのか。あるいは誰に食べてもらいたいか。
そして、それは何故か。
さて野菜を作る時、この要点があるのと、無いのとでは何が違うのでしょうか。

尾道自由大学講義『農夫の仕事』では、何気ない農作業を体験して頂きます。
そして、時代と共に変わる「農夫のしなければならない事」また時代を経ても変わらない「農夫の成すべき事」を受講者と共に感じたり考えたりしながら農夫の見方や考え方を学び、自らの仕事を一生のものとする心を得て頂きたいと思います。

尾道自由大学『農夫のしごと』教授

村上智規

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次回、『農夫のしごと』は、3月20日(火)に開催します!

昔の人が肌感覚で季節の移り変わりを感じ取っていたように、畑で得られるものは農作物だけではありません。全ての人にオススメです!

(コラム以外のText:『農夫の仕事』キュレーター 高野哲成)

講義名
農夫のしごと
定員
6名
日程
3月20日(火)10:30~17:00
開講決定日
開講決定!3月18日(日)まで受付け中※開講決定日について
授業料
6,000円(税込)
※学生さん半額、小学生以下無料です。 (全5回/税込) ※事前銀行振込
キャンパス
因島の畑
※集合場所:ONOMICHI DENIM SHOP前(尾道市久保1丁目2−23)
教授
村上智規
キュレーター
高野哲成
持ち物、その他注意事項
畑作業をしますので、動きやすい格好でお越しください。
別途費用として、因島への交通費500円、昼食代1,000円程度が掛かります。
この講義詳細ページへ

次回開講日程の問合せ


ONOMICHI FREEDOM UNIVERSITY 尾道自由大学