講義レポート


田代教授からコラムが届きました!


講義名:金継ぎの日 | レポート公開日:2018年04月28日


「金継ぎの日」をご担当頂いている漆芸家の田代教授から漆(うるし)にまつわるコラムが届きました。

田代教授は、『漆のコバナシ』と題していつも目からウロコの漆のお話を色々して頂いているのですが、このコラムも伝統の技の奥深さを感じさせてくれるそんな内容です◎

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こんにちは。 「金継ぎの日」「漆と暮らすビギナーズ」教授の田代京子です。

香川県漆芸研究所という後継者養成のための教育機関で漆工芸を6年間学び、9年ほど前から尾道のお隣三原市で、漆の器を作ることと陶磁器のお直しを生業として暮らしております。

春らんまんの今日この頃。 寒く乾燥した冬(今年は特に厳しかった!)がおわり、暖かくなるにつれ漆の乾きがよくなってきました。漆芸家としては今がとても仕事のしやすい時期なのであります。

「漆は湿度の低い冬場、乾きが悪く、湿度の高い夏、乾きやすい。」という話をすると、ほとんどの方が意外に感じるようです。ペンキやニスのように水分や溶剤が蒸発することで「乾燥」するイメージが頭の中にでき上がっているんですね。実は「漆が乾く」というのは、空気中の水分に含まれる酸素と漆の中のラッカーゼという酵素が結びついて硬化する「酸化重合」という作用なのです。「漆が乾く」という言い回しがよけいに混乱を招いてしまうとはわかっていながら、ついつい癖が抜けません。
漆を硬化させるために塗った器物を静置しておくタンスのようなものがあるのですが、それを東日本では「風呂」、西日本では「室(むろ)」と呼びます。温湿度を上げて漆にとって最適な環境を作るのは、まさにお風呂のようでしょう。

ちなみに真夏は硬化が早すぎて、厚く塗ると表面だけしわが寄って中が乾いてない状態(縮みと言います)になったり、刷毛のあとが垂れる前に硬化してしまったりと、弊害も生じますので、あれこれと遅らせる策を講じます。

さて、3月からスタートした「金継ぎの日」、これまで5回完結の講義だった「愛しの金継ぎ学」が、月1回の開催日にご都合良ければいらしてください、というスタイルにリニューアルしたものです。金で仕上げるまでの工程を5回に詰め込み宿題も盛りだくさんだったこれまでの講義にくらべ、ご自身のペースでじっくり技術を身に付けていただくことができると思います。 これから夏にかけて漆の作業が快適な季節、初めての方にもおすすめですよ。

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こんな暮らしに新鮮な驚きや奥行きを与えてくれる漆について、もっと詳しく知りたい方は、姉妹講義である「漆と暮らすビギナーズ」もオススメです!

講義名
金継ぎの日
定員
6名
日程
10月10日(水)10:00-12:00
※毎月第2or 第3水曜日に開催します。(受講生の皆さんとも相談の上決定します。)
開講決定日
開講決定!10月9日まで募集中!※開講決定日について
授業料
4,000円(税込)
※5回受講券:18,000円(税込) (全5回/税込) ※事前銀行振込
キャンパス
尾道自由大学キャンパス(尾道市土堂2丁目10番24号 オノミチシェア内)
教授
田代京子
キュレーター
高野哲成
持ち物、その他注意事項
・教材費(道具一式と材料の漆)として、6,000〜10,000円程度かかります。金額は仕上げに使う材料の違いによりますので、相談しながら揃えて頂きます。
・金継ぎしたい器を各自ご持参ください(ただし、釉薬がかかっていない素焼きのもの、時代の古いもの、大きな欠片のあるものは高度な技術が必要になりますのでご遠慮ください。別途、田代教授に修理を依頼して頂くことも可能です)。
事前準備として、第1回までに破損部分を歯ブラシ等で磨いて細かい破片を取り除いたうえ、中性洗剤で丁寧に洗い、3日以上乾燥させておいてください。
※直したい器がない場合はご用意することも可能ですのでお申し出ください。
・初回にはカッターナイフや小刀を持参ください。
・体質によっては漆でかぶれる可能性がありますので、肌の露出を控えた服装での受講をお勧めいたします。
・宿題として各自作業をして頂くとスムーズに進められます。
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