からだをつくる源である「食べ物」。美味しいもの、身体にいいもの、安全なもの…できるだけそういうものを選んでいるつもりですが、たくさんの情報が溢れる中で、ちゃんと選ぶのは、結構大変です。
例えば毎日使うお醬油、あなたはどうやって選んでいますか?“伝統的な方法で造られている”、“昔から家で使っている”、“原料にこだわって造られている”等、人によって選ぶ基準は様々。中には、そんなに意識せず使っている人も多いのではないでしょうか。
日本の調味料は、自然の摂理に沿って生み出された『発酵食品』
醬油、酢、みりん、酒、味噌…私たち日本人が慣れ親しんできたこれらの調味料。忘れがちですが、これらはそもそも豆や米などの穀物や塩などを原料に、あとは人の力ではなく、菌の力によって造られた発酵食品。最近では昔より短期間で造れるように、または保存が効くようにと、原料や添加物、製造方法も多種多様になっています。いろんな種類の中から、自分に合ったものを選ぶには、まず、“何で出来ているか”、“どのような工程で造られているか”を知ることです。これらを食品表示のラベルから読み解くことができるようになると、視点がグッと変わり、調味料を選ぶ「目利き力」が身に付きます。
普段使っているものの本質を知ることは、自分が何を選んでいるのかを知ることになります。それを知れば、情報に惑わされず、自信を持って選べるようになるでしょう。
教授は、食品業界に通じたプロフェッショナル
教授は、自然食品の会社で商品開発担当として伝統発酵食品の蔵や食品工場に足を運び、食や暮らしに関する知識や経験を積み重ねてきた保坂道子氏。2011年秋に自らも生産者になりたいと、ワイン造りを志して岡山に移住。ワインブドウ栽培の傍ら、各地で開催されている「食と暮らしのものさし作り講座」を主宰されています。
ちゃんと知れば、ちゃんと選べる
この講義では、発酵食品である調味料をあらゆる角度から知ることで、身近な暮らしを見直し、選ぶときの“自分の中の軸”を持つコツを学びます。沢山ある情報に流されず、多様な食品の中から、無理なく「今の自分」に合うもの、カラダが必要としている物を自然に選べる軸を自分の中に持ってみませんか?この講座を通して、美味しい食べ物に出会う機会もきっと増えるはずです。
【教授からのコメント】
和食の調味料の多くは、人の手による「調理」だけではできない、発酵食品です。私たち人間ができるのは、素材を用意し、微生物の働きやすい環境を整えること。あとは微生物の力に任せて、美味しくなるのを待ちます。発酵食品は本来、季節や天候、さらには扱う人のコンディションによっても左右されるような、繊細かつ大らかなものなのです。暮らしの中に自然の摂理に沿って造られた美味しいものを取り入れると、不思議と暮らし方までもが変わります。自然の摂理を見分けるコツや、ご自身に合うとりいれ方の提案をさせていただきます。
みそ、しょうゆ、酒、みりん、酢…私たちになじみのある日本の調味料たち。これらはみんな菌の力を借りてできた発酵食品。麹菌・乳酸菌・酵母の働きの絶妙なバランスにより、これらがどのように造られるのかを学びます。
調味料にこだわるなら、その素材まで遡って知ることも大切です。有機○○使用、って書いてあると、なんとなく体や自然に良さそうだけど、実際どうなの?慣行栽培、有機農業、自然農法。何がどう違うのか知っておくと、様々な食品選びに応用が利きます。また、みそや醬油の原料である大豆と小麦の生産状況について学びます。
巷に出回っている様々な醬油。それらの製法や素材を学び、表示や情報から読み解く方法を学びます。また、実際にテイスティングを行い、それぞれの製法で味にどう違いがあるのか体感します。あなたが普段使っているお醤油も、ご持参ください。 ゲスト:しょうゆもの知り博士 岡本醬油醸造場 岡本康史さん
しょうゆもの知り博士の務める醬油蔵を実際に訪問し、どのように醬油ができていくのか、その過程を学び、生産者のホームで想いを語っていただきます。 訪問先:岡本醬油醸造場
しょうゆもの知り博士の務める醬油蔵を実際に訪問し、どのように醬油ができていくのか、その過程を学び、生産者のホームで想いを語っていただきます。 訪問先:岡本醬油醸造場