講義レポート


盛り付けデザインでその地の魅力を発信する可能性


講義名:盛り付けデザイン学 マルシェ編 in 世羅 | レポート公開日:2015年01月27日


「私の地元、世羅の仲間たちにも、私が今回みつけた気づきや感動を感じてほしいので、ぜひ盛り付けデザイン学、世羅をフィールドにできませんか?」 今回の企画は、ワークショップ「盛り付けデザイン学 秋の味覚篇」の卒業生、吉宗五十鈴さんからのそんな相談から始まりました。
世羅町といえば、六次産業(農業生産×加工×販売)の先進地として、知る人ぞ知るまちです。そんな世羅でも、もっともっと地元産品を魅力的に魅せることに課題を感じている人たちがいるとは…いまや、全国に1,700近くあるという産直市。きっと同じように、魅せ方を学びたい人や、現場で活かしたいと思っている関係者は、他の地域にもいるのでは?そこで、尾道を飛び出して、農業の盛んな世羅町での出張講義「育てた野菜や果物を魅せるワークショップ“盛り付けデザイン学 マルシェ編 in 世羅”」を開催することになりました。

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▲世羅の風景

これまで、尾道には何度も足を運んでいただいていましたが、“世羅”という場所を見たことも聞いたこともなかった飯野教授。「その土地のものを活かす魅せ方をプロデュースするには、まずはその土地を知らなければ!」ということで、講義の前に、現地を訪れていただきました。
現地をご案内くださった吉宗さん。産直市や農産加工品の現場だけではなく、弘法大師により開基されたと言われる“今高野山”、農家のおうちが丸ごと宿になった農家民宿、さらには駅伝で有名な“世羅高校”など、たくさんの場所に連れて行ってくださいました。盛り付けデザインには一見関係なさそうだけれど…私はそんなことを考えていました。ところが、産品だけを見ていては気づかない生産背景やそれが生み出された風土、それらはやはり、世羅らしさが醸し出される盛り付けデザインのアイデアには、欠かせないものだったのだなと後々実感することができました。

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視察から1週間。ワークショップ当日、会場に集まったのは、お隣の三次市、尾道市、そして世羅町から総勢15名の受講生。生産者、地元やこだわりの食材を使った料理を出す飲食店、産直市のスタッフ、カメラマン、友達の農産物をもっと魅力的に魅せたいという方など、老若男女バラエティーに富んだメンバーが集まりました。今回は、“盛り付けデザインで魅力的に魅せたいもの”を持ってこられた方も多く、自己紹介では、参加者それぞれがこの講義に何を求めてきたか、今どんな課題を持っているかなどが浮き彫りになっていきました。
その後、飯野教授から、盛り付けデザインについてレクチャーいただきました。アメリカのマルシェの写真や、これまで手掛けられたお仕事の写真、そして青山ファーマーズマーケットなどでの野菜やサラダのワークショップの様子など、“マルシェ編”のためにご用意いただいたお話の数々はとても刺激的。今回初めて耳にした方も多かった「盛り付けデザイン」という言葉への理解が、それぞれの中で深まっていく時間だったのではないでしょうか。

午後からは、産直市「甲山いきいき村」や「ショッピングセンターパオ」を巡り、盛り付けに活かす素材を集めました。中には、お家の畑に戻って野菜を抜いてきたという方も!

会場に戻り、盛り付けデザインスタートです。持ち時間は30分。受講生たちは、素材の魅力を様々な角度からとらえ直している様子。しばらく考え、大きなザルに世界を広げたり、色を活かすために切ったり重ねたり。これまで考えてもみなかった組み合わせを試した方も多かったようです。試行錯誤をしている時間はあっという間に過ぎ、今回も、広間の畳の上に作品を並べて講評です。それぞれのデザインしたプレートが集まり、世羅のテーブルが出来上がっていきます。

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かつて世羅が全国の生産の7割を占めていたという“経木”を活かしたデザイン、野菜を盛ったザル、いつものお惣菜をタッパーから出して盛り付けたプレートや、いつものお弁当の詰め方を工夫したお弁当箱。それらを飯野教授が1つずつ目を通し、丁寧に品評をしてくださいました。より魅力的に魅せるために…という観点でアドバイスや手が加わると、目の前でさらに見違えるデザインに変わっていきます。その瞬間、参加者からは「おおー!」「なるほど~!」と感嘆の声が上がりました。その写真がこちら。

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1日のワークショップの最後に、受講生からコメントをいただきました。

  •  冬は色のない作物しかないと思っていたけれど、世羅産のものだけでこんなにカラフルな世界が広がってびっくりした
  •  盛り付けることがこんなに楽しいとは思ってもみなかった。「盛り付けデザインに正解も不正解もない。自由に盛り付けていい」という教授のコトバに勇気をもらって楽しめた。

盛り付けデザインによって、“次世代や余所に住んでいる人たちにその土地の魅力を伝えていく…”そのヒントが詰まったワークショップでした。卒業生の、これからのご活躍がますます楽しみです。

03【関連サイト】

世羅高原カメラ女子旅FBアルバム

(text:クリエイティブチーム 白鳥法子)

講義名
盛り付けデザイン学 マルシェ編 in 世羅
定員
15名
日程
1月20日(火)10:00 - 16:00
開講決定日
開講決定!1月14日(水)まで受付中※開講決定日について
授業料
5,000円(税込) (全5回/税込) ※事前銀行振込
キャンパス
世羅町甲山保健福祉センター、世羅町の産直市
教授
飯野登起子
キュレーター
小川香澄
白鳥法子
持ち物、その他注意事項
別途、盛り付けデザイン食材費や器代がかかります。盛り付けに使用したいお皿や食材がある方は、各自ご持参ください。
今関わっているマルシェや産直市の写真、ご自分の商品の写真など数枚ご用意ください。自己紹介の時に合わせてご紹介いただきます。
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