講義レポート


靴を育てるとは?


講義名:20年履ける靴に育てる 坂のまち編 | レポート公開日:2015年01月08日


今回の教授は、靴磨き職人の明石優さん。東京の自由大学や、各地のイベントで靴磨きの講座をされていらっしゃいますが、尾道での講義は今回が初めてです。受講生は、靴好きなKさんとSさんのお二人。
Kさんは、就職したとき買ったいい靴を持参。しばらく大切に磨いていたが、最近手入れをさぼりがちで気になっていたそうです。もう一度、ちゃんとした方法を勉強して磨きたいなと思ったのが、受講のきっかけだとか。
Sさんは、昔から靴が好きでたくさん持っていたけれど、使い古しては捨てていたそう。最近は、長く穿いていきたいなと思う靴を集めているので、それらをちゃんと手入れしていきたいとのことです。
尾道自由大学からも、中村校長とスタッフ白鳥が参戦。他のスタッフの靴もたくさん持ってきて、いろいろなタイプの靴のお手入れを学んでいきました。

明石教授

カッサカサの革靴に、鏡面磨きを施すまで
まずは靴の中をきれいに。アルコールスプレーをして、布で拭きます。靴のつま先まで、手を突っ込み、雑菌や埃をふき取ります。たとえ自分の靴でも、初めてのときは、なかなか勇気がいります。驚くほどの埃の塊がぼろりと出てきます。そうなると、快感!
次に表面です。埃落としで、汚れを落とします。クリーナーを使って、汚れや古いクリームを落とします。洗顔、のような段階です。ここでしっかり落としておかないと、上に化粧をしてもきれいにならない…お肌のお手入れと、一緒ですね!
次に乳化性クリームを摺り込みます。これで潤いが浸透します。その後、ブタ毛のブラシをかけて、馴染ませていきます。この時点で、既に靴の表情が明らかに変わってきました。しっとり、艶のある感じです。
乾拭きの後は、ワックスがけです。まずは手の指を使って、トゥ、ヒール、コバに塗り込んでいきます。それから、今回のクライマックス、「鏡面磨き」の段階へ。布を手にぴっちりと巻き付け、ワックスと一緒に水を少々なじませます。気長に、クルクルくるくる…忍耐強く磨き続けると、あるときスルッと手触りが変わり、本当に鏡のようにピカピカに輝き始めます。鏡面磨きをすると、保湿効果があり、傷がつきにくく、防水性が増すなど、長~く靴を履きこむために、大切なポイントが盛り込まれています。ここで仕上げのブラッシングを行うと、さらに輝きが増します。

鏡面磨き

「嗜む」ということ
靴の甲にできる皺の部分、「ヴァンプ」と呼ばれる部分ですが、この部分のお手入れが、靴と長く付き合う時に一番大切だそう。「10年履いて靴になる」と語る教授。育てるうちに、「自分の靴を自分で調整している」、という愉しみを感じるようになるのだとか。靴は日々の大切な道具。人によっては、仕事の相棒といってもいいくらい、靴との付き合いは大切なのではないでしょうか。
普段は下にしか見ていない靴を、顔と同じ目線まで持ち上げて、あらゆる角度から見つめて磨いていくとき、靴への愛情と感謝、そして靴との思い出が、ふつふつと湧いてきました。

大切な人へ想いを込めて
最後の講義の課題は「大切な人の靴を大切に磨く」。参加者には、それぞれの大切な人の靴を持ってきてもらいました。Nさんは、会社の先輩の靴。Kさんは、お父様の靴。自分の靴を磨く時とは、また別の緊張感が生まれます。日頃の感謝のコトバとともに、靴を持ち主に返します。靴が美しいと、穿いている本人も気持ちがしゃんとするし、観ている方も気持ちがスッと爽やかになります。プレゼントって、モノだけではないということを改めて実感しました。

大切な人の靴

(text:クリエイティブチーム 白鳥法子)

講義名
20年履ける靴に育てる 坂のまち編
定員
20名
日程
第1回 12月3日(土)11:00-12:30
第2回 12月3日(土)13:30-15:00
第3回 12月4日(日)10:30-12:00
第4回 12月4日(日)13:00-14:30
第5回 12月4日(日)15:30-17:00
開講決定日
11月18日(金)まで受付中※開講決定日について
授業料
15000円(税込) (全5回/税込) ※事前銀行振込
キャンパス
尾道自由大学メインキャンパス
教授
明石優
持ち物、その他注意事項
・希望者は靴磨きに必要な道具一式(10000円)を購入可能です。
・すでに道具をお持ちの方はご相談ください。
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