講義レポート


漆の魅力再発見


講義名:漆と暮らす | レポート公開日:2014年12月04日


尾道市のお隣、三原市在住の漆芸家、田代京子教授。生活に密着した漆の活用法を広めるべく活動される中で、尾道自由大学と出会い、講義を持っていただくことになりました。
今回は、手仕事の愉しさと、漆の魅力について感じてもらうワンデーワークショップを初開催。我々スタッフも参加し、初めての漆を体験しましたのでレポートします。

そもそも漆とは?
「ところでみなさん、今日のテーマである“うるし”を漢字で書けますか?」
そう言われて書こうとするものの、「添」みたいな漢字だったような…恥ずかしながら、書けませんでした。
正解は、“漆”。「たくさんある木を表す漢字の中で、珍しく木辺の付かない木ではないでしょうか。それどころか、水を表す『さんずい』が、そして造りのほうにも水が付いていますよね。そのくらい、漆というものは、昔から“樹液を採るもの”として捉えられていたのだと思います。」と田代教授。

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漆を採取する「漆掻き」という仕事や現在の生産事情、人類による漆の利用が9000年前に遡り、使われ方は違っても、それぞれの階級の生活の中で活かされていたという話など、漆についてあらゆる角度からのお話を聴いていると、漆=塗り椀 くらいしか想像できていなかった私の中では、すでに漆の世界が広がりました。

現代の生活に活かす漆の魅力
塗ることで表面を固くしたり、抗菌作用もある「塗装」の機能と、割れた器をくっつけたり、欠けた部分を補ったりする「接着」の機能。田代教授の作品を手にしながら、漆を普段の生活の中でどう活かされているか学びました。
割れた陶器ではなく、ホーロー製品の禿げた部分を補修したりもできる金継ぎの技に、驚きです。

田代教授の作品

木片から箸置きを削り出す
漆の特性を学んだあとは、待ちに待った箸置きづくり。教授が用意してくださった見本を参考に、どんな形に削り出すか、各自想い描きます。
彫刻刀を片手に、イメージ通りになるよう、削って削って…。削った後は、紙やすりで磨いて磨いて…。表面が滑らかになるまで、教授のOKはなかなか出ません。
受講生のお二人は、とても手先が器用な方々で、田代教授も驚きでした。

受講生

作業中

漆を使った基本的な技法「拭き漆」にチャレンジ
ようやく形ができあがった箸置き。今回はこの箸置きと、無垢の紫檀でできた箸に、漆を塗ります。
特別な道具が登場するかと思っていたら、かぶれを防ぐためのビニール手袋、漆を塗込むのにはティッシュペーパーなど、道具は身近なものばかり。拭き漆

漆を乾かすには、一定の温度と湿度が必要とのこと。乾かすには乾燥させるとばかり思っていたので、これも驚きでした。一度塗りした作品を教授に託し、二度塗りしていただいて完成させたものを、後日送っていただくことになりました。

そして届いた作品
ポストに入っていた封筒を、急いで開封。そこには、お手紙とともに可愛いわが子(作品)たちが…。
さっそくその日の夕ご飯から、この箸と箸置きを使っています。普段の食卓に仲間が増えて、より一層に賑やかになりました。今までよりも、箸を大切に扱っている自分に気づきます。一口一口、箸を意識して料理を口に運びました。

完成

身の回りの物をひとつひとつ、思いの詰まったもので揃えることができたら、何気ない日々の時間がより一層暖かくて大切なものに感じることができそう。そんなことに気付くことができたワークショップでした。

(text:クリエイティブチーム 白鳥法子)

講義名
漆と暮らす
定員
6名
日程
10月24日(水)10:00〜12:30
開講決定日
10月17日(水)まで受付中!※開講決定日について
授業料
6,500円(税込) (全5回/税込) ※事前銀行振込
キャンパス
尾道自由大学キャンパス(尾道市土堂2丁目10番24号 ONOMICHI SHARE内)
教授
田代京子
キュレーター
高野哲成
持ち物、その他注意事項
別途、材料費として3,000円程度がかかります。
(内訳)無塗装のお箸、漆、ウェス、テレピン油、ヘラ(2cm程度)、作業台(タイル、ガラスなど)などを必要なものを購入して頂きます。※既にお持ちのものはそちらをお使い頂いて結構ですので、事前にご確認させて頂きます。
・それ以外に塗りたいものがある方はご相談ください。※他の塗装がしてあるもの、木の導管が開いているものはご遠慮ください。
・二度塗り、三度塗りの作業は自宅で行って頂きます。
・汚れてもいい服装でお越しください。体質によっては漆でかぶれる可能性がありますので、肌の露出を控えた服装での受講をお勧めいたします。
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