事務局のつぶやき(不定期)


カテゴリ:blog コラム | 投稿日:2020年08月12日

不定期配信の「事務局のつぶやき」をお届けします。

尾道で暮らす中で感じたことや講義としてカタチになる前の企画のタネを言語化してみる試みです。

つぶやきなので、あえて「です」「ます」調ではなく、独り言のように淡々とつぶやきます。

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家庭用の小型のソーラーパネルや / 事務局 高野哲成

最近、災害対策の為の家庭用の小型ソーラーパネルやポータブル電源について調べてみると、ひと昔前と比べて、容量、価格、そして製品としての完成度がかなり進化していることを知り、驚きました。
そして、ネット上での評価や売上で上位に上がってくるメーカーの多くが中国企業(もしくは中国でR&Dを行っている)という共通点があります。

Jackery Inc
https://www.jackery.jp

『創立メンバーにAppleの元バッテリーエンジニアが加わり、2012年米国シリコンバレーにて設立。最先端の研究開発および製造の専門知識を積み重ね、2015年に世界初のリチウムポータブル電源を開発、2019年には戦略的パートナーとしてJVCケンウッド社と提携。』(リンク先より)

EcoFlow Technology
https://ecoflowtech.jp

『2017年に設立したポータブル電源の最先端を駆けるスタートアップ企業です。私たちは安全性と利便性に焦点を当て、人々の生活をより良いものにするためのクリーンな電力技術を開発する事を目的としています。』(リンク先より)

BEAUDENS
https://beaudens.com

(コスパの高い製品で国内雑誌でもランキング上位の常連企業ですが、ざっと調べただけではこの企業の詳細は見つけられませんでした。)

目についた上記3つの企業だけを見ても、元Appleのバッテリーエンジニア、元DJIの電源開発事業部のトップといったメンバーがこれらの企業の立ち上げに関わっていて、デザインや製品のコンセプトもユニークです。

日本では、「エコ=経済発展を妨げるもの」というイメージが根深く感じ、昔から優れた技術はあっても、その「良さ」が製品として、一般の人に伝わるかたちで十分にアピールされて来なかったように感じます。

日本におけるドローンの開発が、保守的な法律や運用方法によって日本の企業が世界で出遅れたように、自然エネルギー分野でも、例えば、国をあげて火力発電や原発にこだわり続ける様な古い考えに固執していては、これから成長する分野である自然エネルギーに関する技術開発も更に遅れてしまうかもしれません。

また、日本は、税制などの面で中小企業や個人事業者よりも既存の大企業の利益を優先していることにも同じことが言えると思います。日本は構造的に新しく「挑戦」する人にとって厳しい環境で、保守的な選択をすることが奨励されているような経済環境であると言えます。

世界を席巻するFAANG(フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)や、2018年時点の数字ですが、起業10年以内に企業価値(評価額)が10億ドル(1,100億円)以上に成長しているユニコーン企業が世界に約250社(米国151社、中国82社、イギリス16社、インド13社)ある中で日本には1社も無いということの原因にも何らかの関係があるかもしれません。

上記の様な日本の状況は、日本人が保守的で「教育」のあり方にも原因があると思っていましたが、もしかすると国が経済政策、成長戦略として、クリエイティブで未来に希望を描ける様なイメージを発することが出来ていないことにも原因があるように感じます。

以上

ことしの尾道自由大学祭は8月30日(日)に開催します。昨年同様、トークと出展ブースを両方楽しめるようになる予定です!

お楽しみに!尾道(ONOMICHI SHARE)で皆さんにお会い出来るのを楽しみにしています!

(text by 尾道自由大学 事務局 高野哲成)


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