事務局のつぶやき(不定期)


カテゴリ:blog コラム | 投稿日:2021年01月06日

あけましておめでとうございます!本年も「笑いながら学ぼう」をテーマに、先が見えない社会でも自分らしく生きていくための「学び」や「生き方」をシェア出来る場として、精一杯活動して行きます!

それでは早速、2021年最初の不定期配信の「事務局のつぶやき」をお届けします。

尾道で暮らす中で感じたことや講義としてカタチになる前の企画のタネを言語化してみる試みです。

つぶやきなので、あえて「です」「ます」調ではなく、独り言のように淡々とつぶやきます。

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尾道の土堂小学校の校舎が耐震性の問題で取り壊しになる件について。

尾道の土堂小学校の坂の町に立つユニークな校舎には文化財としての価値があるとして地元住民の取り壊し反対の声が上がっている。

▶︎中国新聞「土堂小の仮校舎移転決定 尾道市教委、協議打ち切り」
https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=704221&comment_sub_id=0&category_id=112

この件で思い出すのは、滋賀県の豊郷小学校。1937年にヴォーリズさんという方が手掛けた美しい白亜の校舎でテレビアニメ「けいおん」のモデルとしても知られているが、2002年には一度解体が決定された後、現在は地元の人や観光客に愛される施設として残されている。

日経の記事によると「新校舎は建設された。ただ旧校舎も耐震工事を経て残った」という一筋縄ではいかないストーリーがある。土堂小学校についてもまだまだ、別のストーリーを導き出せる可能性があるのかもしれない。

▶︎日経新聞「未来へつなぐ白亜の校舎 ヴォーリズの建築遺産(2)」
https://www.nikkei.com/article/DGXLASJB07H4Q_Q4A111C1960E00

仮に「小学校」としての用途だと予算を捻出するのが難しいのであれば、東京のアーツ千代田3331 や淡路島のノマド村 の様な複合的な施設や、もしくは尾道に暮らしたい人のための集合住宅としてなど、新たな用途を考えて残すというのはどうだろう?

▶︎アーツ千代田3331HP
https://www.3331.jp

▶︎ノマド村HP
https://nomadomura.net

この方向なら新校舎の新築工事、旧校舎の耐震化工事に、新たな活用に向けたリフォーム工事など、地元経済も潤うし、文化、芸術、歴史のまち尾道のブランドも高まるのでは?
そして、あと一点、これは尾道だけでなく、全国の少子化によって校舎の維持が難しくなっている小学校に言えることだけど、校舎という「箱」は無くなっても、その地域で子ども達を育てる「場」は残し続けて貰いたい。

このことは、場所に捉われずに、地域の自然や魅力的なヒト・モノ・コトを活かした学びの場として活動する尾道自由大学やみらいのこども舎を運営する中で、未来の教育のあり方の可能性を信じるからこそ強く思う。

地域で、少人数ででも、学べる選択肢は残していきたい。多くの人数で集まって何かをする経験は地域のスポーツチームや文化活動、町内会活動、お祭りなど別の方法でも得られる。

しかし、その地域が存続していく上で、小学校があるかどうかの差は大きい。小学校が閉校になる地域を選んでわざわざ移住するする子育て世代は多くない。

そもそも、学校には校舎が必要って誰が決めたのだろう?

維持費の掛かる上に地域と教育を隔ててしまうコンクリートの建物や塀、服装についての厳しいルール、不条理な校則や、その子の能力や意欲に関係なく決められるカリキュラムや宿題など、現在の教育のあり方は、中国新聞の記事の中で教育委員会の方が言われる「地震のリスク」と同じくらい改革に取り組むべき事だと感じている。

経済が代わり、社会が変わり、教育が変わるのは最後だと言われている。
しかし、世の中が悪いのは大概、教育のせいにされる。
これはどういうことだろう?

答えは、私たち大人の一人一人の中にある。
何か少しでも行動するかどうか。
子ども達のように、壁にぶつかり、自分で問いを立て、学び、乗り越えて行く。
世の中を変えるのはこの小さいな一歩の先にしかない。
経済が先でも、社会が先でも、教育が先でもない。
僕が先。あなたが先だ。

ちなみにこちらは、数年前に訪れた山口県萩市にある松下村塾。

こんな小さな学び舎から、幕末の志士たちが多く育ったことを想うと、教育に必要なのは、校舎の大きさではなく密度。集まった人の熱量なのだということを、強く感じざる得ないと同時に、どこでだって、誰にだってそれは出来るんじゃないか!?と思えてきませんか。

勇気を持って一緒に進んで行きましょう!
本年もよろしくお願い致しますm(_ _)m

(text by 尾道自由大学 事務局 高野哲成)


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