長い間、日本でビールを作って来たのは大手のビール会社数社だけでしたが、1994年の酒税法改正により、小規模なブルワリー(醸造所)が可能になったことにより、国内には 500社近いブルワリーが誕生し、「地ビール」ブームも起こりました。
その後、小規模なブルワリーがつくる様々な個性や魅力を持ったビールを指す「クラフトビール」という言葉の広がりと共に、新しいビール文化が日本にも根付いて来ました。
スーパードライ、一番搾り、エビス、プレミアムモルツ、、、これらは日本の大手ビール会社各社が味と個性を磨き上げて来た素晴らしいビールで、それぞれ熱狂的なファンを持ちます。でも、これらが全部「ピルスナー」と呼ばれる同じビアスタイル(種類)のビールだということはあまり知られていません。
ビアスタイルとは、ビールを醸造方法や原料などによって分類したもので、細かい分類を含めると世界には100種類以上のビアスタイルがあると言われています。爽快なのどごしが特徴のビール、香り豊かで複雑な味わいが特徴のビール、フルーツのビールなど、多様なクラフトビールの世界を深く理解し、楽しむための指標の一つとなります。
本講義では、テーマに合わせて教授がセレクトしたビアスタイルの異なる10種類のビールを実際に飲んで味わい、バラエティー豊かなビールの世界を堪能しながら、ビールの奥深さと魅力を学んで行きます。
今回のテーマは、家庭でも気軽に試せる「BBQ」。炭火で焼いたお肉や野菜と合わせた時に、ビールの味わいがどのように変わるか?試してみましょう!生口島で、島の食材を活かしたレストラン「On The Kitchen」のオーナーシェフ&猟師として活動する長光祥子さんによって丁寧に処理された猪肉と、向島で地域における「農」の可能性を実践・探求されている「Pitchfork Farms」のトーマス・コレップファーさんによる、野菜を中心とした瀬戸内らしいBBQと共に、教授が醸造&セレクトした10種類のビールを楽しみます。
(写真はイメージです)
本講義の教授の小畑昌司さんは、2019年、誰もがビール作りを学べる「備後福山ブルーイングカレッジ」とビール専門の酒屋「THE BEER 伏見町」をスタートしビールの奥深さと魅力を伝えるための活動を続けられています。その経歴は2004年に東京にビールと葉巻のブリティッシュパブをオープンし、2010年から醸造をスタート。その傍ら、審査員の資格であるビアジャッジの最高位「マスター・ビアジャッジ」を取得し、国内外のビール審査会に参加し審査員を務めてられています。
小畑さんがビールにハマったきっかけは、ビールの注ぎ方やビールサーバーの洗浄の仕方でビールの味が変わることに気付いた時。ビールの面白さに気付き、調べていくと世界には日本の大手ビール会社が作っていないタイプのビールが沢山あることを知り、ビールに対する興味が「爆発した」とのこと。
例えば「この日本酒はどんなお酒?」と思った時、瓶のラベルに「無濾過純米」と書いてあれば大体の人が分かるでしょう。これはビールも同じです。
瓶のラベルに書かれたことを読み解けるほんの少しの知識があれば、好きなビールを選べるようになります。そうすればビールを選ぶ楽しみや、より深く味わう楽しみに気付くはずです。
日本は大手ビールのシェアが99%。ビールがバラエティーに富んだお酒であること。そして日本の醸造家達がどんな想いでビールを造っているか。知れば知るほどビールは美味しくなるんです!」
(第1期募集開始日:2020年9月16日)
まずはビールとは何か、その歴史や原料など基礎的なことを学びます。基礎を知るだけでビールのことがぐっと身近に感じられます。
ビールの味は注ぎ方で変わる?聞いたことはあるけど、個性豊かなクラフトビールの場合の注ぎ方はどうしたら良いのか?自分で注ぎながら変化を感じます。
そのビールがどんな味なのかはラベルにきちんと書かれていることがほとんどです。「ビアスタイル」について実際に飲みながら学んでいきます。ビアスタイルさえわかればもうビール選びに迷うことはありません。