備後の畳表を継承する
かつて、尾道を含むこの備後地域は最高級の畳として名を馳せた“備後畳表”の産地で、その品質は幕府や朝廷に献上されていたほど。しかし、日本の暮らしの中で当たり前のように取り入れていた畳文化も、生活様式の変化によりニーズは減少し、加えて中国産の進出や後継者不足もあり、備後の畳表は衰退の一途をたどっています。
備後地方の伝統産業の1つである備後畳表を盛り返すべく、現在、ディスカバーリンクせとうちが運営するい草プロジェクトでは、備後のい草の価値創出、伝統産業の継承を理念に、い草の苗から栽培をスタート。品種は「せとなみ」という既に絶滅に近い状態の品種。昔から伝統を守り続けて来た畳表職人の門田さんを指導者にお招きし、地元の農業高校の生徒たちと一緒に栽培に取り組んでいます。
今回のい草のワークショップは、備後い草でほうきを作ります。
ほうきは、尾道の暮らしの中でも掃除用具として欠かせないものであり、また安産を願う縁起物でもあります。竹やほうき草で作るのが一般的ですが、いぐさ部ではもちろんい草をつかって、オリジナルほうきを作ります。机の上のほこりを落としたり、縁起物として飾ってみたりと、それぞれの用途をお楽しみください。
い草にご縁のある、せとうちならではの備後い草を使った、い草のほうき。今回も、い草のいろんな可能性を、手にとって感じていただきたいと思います。お気軽にご参加くださいませ。
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