備後の畳表を継承する
昔より尾道を含むこの備後地域は最高級の畳として名を馳せた“備後畳表”の産地です。その品質は幕府や朝廷に献上されていたほどでした。しかし、日本の暮らしの中で当たり前のように生活の一部であった畳も生活の変化によりニーズは減少しました。その備後畳表の価値を取り戻すために、2013年に“い草プロジェクト”は誕生しました。畳の素材である備後い草の価値を創出し、伝統産業の継承を理念に、い草の苗から栽培をスタート。絶滅に近い品種である「せとなみ」を活用し、昔から伝統を守り続けて来た畳表職人・門田さんを指導者にお招きし、地元の農業高校の生徒たちと一緒に栽培に取り組んでいます。
い草と、い草が育つ地域の文化を体験
今回は、舞台は備後畳表の産地で知られる福山市熊野町。いぐさ部としては初の野外講義です。その熊野町にあるいぐさ部の田んぼで、実際に“い草の網掛け作業”を体験します。
辺りに広がるのは田んぼや山、川に囲まれた、のどかな田園風景。熊野町を含むかつての沼隈地区は、上質ない草が育つ地域として約500年もの栽培の歴史があります。畳の素材であるい草が、どのように育っていくのか。い草という植物がどんな農作業を経て畳になっていくのか。500年続いている、この地域のい草の農作業の体験を通して、畳づくりの裏側に触れながら、い草農に携わってきた人たちの知恵や工夫にも触れていきましょう。
自然や素材に興味のある方、農業に興味がある方、地域の素材(資源)を使って何かしてみたいという方、この機会に一緒に体験してみませんか。また汗を流した後には、地元で採れた野菜を使ったごはん会を古民家ギャラリー繋々にて開催します。い草と、い草が育つ地域の文化を両方楽しみましょう。
■プログラム
9:00 アリストぬまくま集合 / 田んぼへ移動
9:20 網掛け作業スタート
11:30〜11:45 水呑町「繋々 ーtunatunaー」へ移動
12:00~13:30 ごはん会
※沼隈地区のお野菜をメインにしたお昼ごはんを食べながら、いぐさについてディスカッションをしよう
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