かつて、尾道を含むこの備後地域は最高級の畳として名を馳せた“備後畳表”の産地で、その品質は幕府や朝廷に献上されていたほど。しかし、日本の暮らしの中で当たり前のように取り入れていた畳文化も、生活様式の変化によりニーズは減少し、加えて中国産の進出や後継者不足もあり、備後の畳表は衰退の一途をたどっています。
備後地方の伝統産業の1つである備後畳表を、現在、ディスカバーリンクせとうちが運営するい草プロジェクトでは、備後のい草の価値創出、伝統産業の継承を理念に、い草の苗から栽培をスタート。品種は「せとなみ」という既に絶滅に近い状態の品種。昔から伝統を守り続けて来た畳表職人の門田さんを従事者に据え、地元の農業高校である沼南高校が苗から栽培しています。
今回の講義は、備後い草再生プロジェクト実行委員会が育てた、せとなみという備後地方特有の品種のい草を使って、ほたるかご(※通常麦わらなどで作られるほたるを入れておくカゴのこと)を編みます。色とりどりに染めたい草からできるほたるかごは、アクセサリーや飾りとして使えるオリジナルチャームとしてお楽しみいただけます。
この講義を通し、い草という植物の特性を伝え、さらに備後い草にまつわる文化を知って頂きたいと思います。参加者の皆さんには、この素材を理解し、編むという技にチャレンジしていただきつつ、備後い草のこれからを、参加者と一緒に考えます。
プログラム内容
4月7日(日)
13:00 挨拶、自己紹介
13:10 備後い草プロジェクトの紹介
14:30 い草のほたるかご作り(オリジナルチャーム作り)
※おやつを食べながら作業します。
16:30 備後い草の編みの文化についての話とディスカッション
17:00 解散
※プログラム内容は、現地事情等により変更になる可能性があります。
講義レポートはありません。