蘇る日本中世の軌跡
旅と文化学部


日本の海賊とその波乱の世を生き抜いた物語


日程
12月2日(土)
13:30 開場
14:00 開始 - 15:30 終了(予定)
授業料
1,500円(税込)
キャンパス
尾道自由大学キャンパス
教授
三石晃生
開講決定日
12月1日(金)

講義内容

歴史学者 三石晃生教授の想い

今、ちょっとしたブームになっている村上水軍。 さっそくですが、水軍という言い方は当時は使われていませんでした。 たとえば村上水軍であれば、それは毛利家の海軍として編入されてからの言葉。 村上海賊と村上水軍とでは実はかなり性格が異なります。 トークイベントで、お話するのは、「海賊」の話です。 さらに三石教授のトークは村上海賊にとどまりません。 教授はそれぞれの時代という位相でその海賊という存在自体を問いかけていきます。 彼らはなぜ賊と呼ばれるのか? 「陸」との対立、陸から忌み嫌われたのが一つの理由にあります。 日本は海で閉ざされていた。そう考えるのは間違いです。 元来日本は海で繋がっていました。 縄文時代には日本の黒曜石がロシアのカムチャッカ半島でも見つかっています。 海で繋がっていたからこそ、幕末にはロシアのレザノフやアメリカのペリーがダイレクトにやって来れたのです。 そうした「世界をつなぐ者」としての海賊なのです。 と三石教授はおっしゃります。「最近の村上水軍ブームには実は違和感を覚えています。 もっと広い視点で、比較検討していかないと見えてこないものがたくさんあります。 海賊ごとに様々な性格や得意なことがあったのご存知でしょうか」さらに教授は続けます。「海なし県の山梨ですが、その甲斐の戦国大名といえば武田信玄です。彼が水軍を持っていたことも知られていません。 やっぱりどうしても、塩がなくて上杉謙信から送られたといわれる逸話のイメージが強いからかもしれません。 ちなみにあの塩は無料ではなくて売りつけられたものなんですけれども」 最近ではグローバル化などが当然といわれていますが、なにをしたら、自分がどうしたらいいのかがよくわかっていません。 英語が話せること? だとしたらフィリピンはアジアのグローバル最先端なはずですが、どうでしょうか? 「言語ではなく、己が個性をもって世界をどう見るかだ」と三石教授は語ります。 それを時代を駆け抜けた様々な海賊たちから学んでいきましょう。

今より、およそ500年前の戦国時代真っ只中の日本は、慢性的な紛争状態が続いた時代だが、毎日が戦争状態にあったわけではない。室町幕府によって保証されていた古い権威が否定され始め、守護の支配下にあった者や新興の実力者などが新しい権力階級にのし上がり領国を統治していくこととなった。中には家臣が盟主を追放して下剋上により地位を手に入れた者もおり、様々な経歴の戦国大名が登場する。また、その一方で貨幣経済の浸透と充実により国衙や荘園の統治機構や畿内中央の首都経済の需要のみには、依存しない地域経済が急速に質量ともに発達していき、それまでの無名の庶民が様々な形で成功を収めることができる経済成長期であったことにあり、経済や文化が発展した時代でもあります。その歴史を語る上で村上水軍の存在は無視できない存在です。村上水軍が主に活躍したのは、戦国時代後期の頃です。

瀬戸内海を守る村上水軍の熱き想い

海賊と聞いて、金品を強奪する悪党を思い浮かべる方も多いのでは、ないでしょうか。一般的な海賊のイメージとは違い”日本最大の海の覇者”といわれた村上水軍は、日本中世の能島(今治市)と来島(今治市)、因島(尾道市)の三家に分かれ、芸予諸島を中心とした中四国地方で活動しており、瀬戸内一帯の流通網を持った大商人でもありました。他にも海上での流通管理や警備などでも活躍。海賊衆は、その見事なまでの土地勘と潮流を読むことに長け、急流渦巻く瀬戸内をまるで我が庭のように往来し、古くから瀬戸内海に伝わる信仰や文化、そして、かけがえのない穏やかな暮らしを守ってきたのです。また、毛利元就と陶晴賢の「厳島の戦い」では、来島村上氏の海賊の援軍が到着、陶晴賢を撃破した活躍は有名です。もしも、村上水軍の存在がなければ、歴史は大きく変わっていたでしょう。その後、織田信長の畿内統一によって全国統一のうねりが高まり、村上水軍も秩序とともにその波に呑まれ消滅しました。しかしながら、村上水軍の後世に残した役割とは何だったのでしょうか。また、現在に残る影響とは。今だ解明されてない当初の暮らしや流通、外交など様々な視点から、歴史学者 三石 晃生教授と共に真実を紐解くトークイベントを開催いたします。

 

 

■プログラム
12月2日(土)
13:30開場
14:00トークイベント スタート
15:30終了予定

こんなかたが対象です。

  • 海賊に興味があるすべての方
  • 歴史が好きな方
  • 世の中を違う角度から見てみたい方

講義計画

第1回

1日限定のスペシャル講義です

講義名
蘇る日本中世の軌跡
定員
50名
日程
12月2日(土)
13:30 開場
14:00 開始 - 15:30 終了(予定)
開講決定日
12月1日(金) ※開講決定日について
授業料
1,500円(税込) (全5回/税込) ※事前銀行振込
キャンパス
尾道自由大学キャンパス
教授
三石晃生
持ち物、その他注意事項

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講義レポート


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