生粋の京都人と歩く観光名所ではない京都
あなたの目には、どう写るだろうか
舞台は、西の都、京都。金閣寺や清水寺などの歴史的な建物が数多く残り、世界的にも観光地として知られているまち。本講義では、京都出身、京都在住という生粋の京都人の写真家と共に、京都のまちを歩きながら、出会った風景や感じたことを“写真”を通して表現するためのレッスンを行います。
講義の中で巡るのは、いわゆる観光地として有名な場所ではなく、教授が愛する場所ばかり。普段、見慣れた景色も、ほんの少し見方を変えるだけで、自分にとって特別な場所になります。レンズ越しに見る京都は、あなたの目にはどのように写るでしょうか?
自分自身がまちに受け入れられていく
同じ場所でも、訪れるたびに感じ方は異なります。幾度となく訪れる中で、いつの間にか故郷のように「帰ってきた」と感じる場所になっていた、、、そんな体験をしたことがありますか?自分の感性を開いてそのまちを歩くことで、自分自身もそのまちに受け入れられていく、、、本講義では、そんな視点を大切にします。
教授は「三度目の京都」プロジェクトの発起人
本講義の教授、写真家・中島光行さんは、20年以上にわたり京都を拠点に、国宝や重要文化財を含む数多くの文化財、美術館の所蔵作品などの撮影を手掛けて来られました。特に寺院の写真は評価が高く、京都の風景や職人の技を写した写真には、その場の確かな気配が感じられます。また、Webページや本を通じて、知る人ぞ知る寺院やお堂などを紹介している『三度目の京都』の発起人でもあり、その写真は様々な雑誌の京都特集や郵便切手にも使われるなど、京都の写真家として知られています。
自分の好きな京都を、写真で表現してみよう
二日間の講義を通して自分自身の視点を養い、カメラの使い方や写真の基礎から、「自分らしい写真」が撮れるようになるための思考法まで学んでいきます。大切なのはテクニックではありません。観光のパンフレットのような“正しい”写真や、SNSに投稿するための写真ではない写真とはどういうものでしょうか?講義の中では、中島教授の作品の撮影場所となった寺院にも実際に訪れ、写真を通して自分が「感じたこと」「伝えたいこと」を表現するためのレッスンを行います。
あなたの感じたあなただけの京都を、写真で表現してみませんか?
教授からのメッセージ
僕は、京都で生まれ、京都で育ち、20年近くカメラマンとしての活動を行ってきました。1日に何万人という観光客が訪れる有名寺院を撮影することもあれば、そうでない寺院も、相当な数を訪れ、シャッターを切りました。
有名寺院の荘厳さ、観光スポットとしての華やかさも京都がもつ素晴らしい側面です。けれども、それが京都の魅力すべてでは決してない。訪れる人の数は少なくとも、僕がカメラを構えた寺院には、大小さまざまな魅力が詰まっていました。
門を見上げたときのささやかな高揚感。本堂に向かうまでの凜とした空気。重ねてきた時間を内包した建物の造形の妙。規模が大きすぎないが故に、隅々まで目が届き、人目を気にせず時間の流れを堪能できる贅沢な時間。
それらを心ゆくまで味わい、“自分の場所になった”という手応えを伴った満足感は、観光客で賑わう人気スポットでは決して得ることができない醍醐味です。この魅力をもっと多くの人に伝えることはできないかと思っています。一度、二度と京都を訪れ、もっと京都を知りたい、と考えてくれる方なら、きっと楽しんで頂けるはずです。
千年の都、京都。決して味わい尽くすことはできないこの土地を、少しずつ深く知り、もっと好きになってもらえたら、京都に住むひとりのカメラマンとして、これほど嬉しいことはありません。
(第3期募集開始日:2019年3月20日)
・教授の紹介
・事前課題:自分の撮影してきた写真を発表しよう
・「写真の魅力」について(中島教授の作例紹介)
・「写真を撮る」ということについて考えてみよう(写真で「伝えたいこと」を表現するためのヒント)
・構図の基本
・「モノ」「人物」「風景」の撮影について
・「絞り」「シャッタースピード」「ISO」「レンズ」「ピント」などについて解説
・実践(実際にまちに出て、習ったことを活かしながら撮影)
・事前課題:自分の撮影した写真を発表しよう(1日目に撮影したものも可)
・自分の「伝えたいこと」に対して、構図や光など、教授による撮影のアドバイス
・質問タイム
・それまでに学んだことを活かして自由に撮影
・中島教授と共に作品の舞台となった寺院を訪れます
・自分の「伝えたいこと」に対して、教授からアドバイスを受けながら撮影して行きます
・新しい視点やカメラの使い方を試して行きます
・自分の撮った写真の中から1人3点を選びプレゼンテーション形式で発表
・写真の選び方やタイトルの付け方など、教授から「写真を見方」に関するアドバイスを受けます
・最後は全員で講評会/ディスカッションを通して深めていきます