講義名:盛り付けデザイン学 | レポート公開日:2016年12月26日
盛り付けデザイン学 第7期(11月19日~20日)の卒業生、村上がレポートします。
1日目「盛り付けデザインの世界を体験」
この「盛り付けデザイン学」は、以前受講されたお友達から「飯野先生の盛り付けは次元が違うから体験したらいいよ」と聞き、いつか私も講義に参加しようと思っていました。
講義は最初から、とてもアットホームな感じでスタートです。飯野先生の盛り付けデザインの作品紹介では、数々の写真を使って、様々なシーンでどのように表現していくのか、わかりやすく説明してくださいました。飯野先生の作品は、まるでキャンパスの中に絵を描くようなイメージでした。綺麗に盛り付けられた野菜や果物たちは、とっても生き生きと感じられ、見ているだけでもなんだか心豊かになります。目で見てワクワクする感覚が、きっとパーティーをより満足させるエッセンスなのでしょうね。
各自が持参してきたお気に入りの器に、野菜や果物を盛り付けます。テーブルには、尾道の風土で育った新鮮で美味しそうな柑橘、柿、いちじく、かぶ、根菜類などがたくさん並べられていました。持参した器をキャンパスに見立てて、「どうすればこの柄が生かせるか」、「季節感をどうやって表現しようか」などと考えながら、絵を描くようにいろいろと素材を配置すると、キャンパスにはいろんな表情(カオ)が現れてきます。こんな感覚は初めての経験でした。
盛り付けが終わると、受講生の皆さんが作り上げた作品を並べての鑑賞です。テーブルに並んだ作品は、みんな違って個性的。私には無い発想にも出会え、とても参考になりました。
ひととおり鑑賞した後は、飯野先生の手によって受講生の作品をより魅力的に魅せるような工夫がされていきます。クロス、カトラリー、紅葉した桜の葉、猫じゃらしなどを使って、どんどん変化させます。同じ盛り付けでも、添え物でまったく違ったイメージになりますが、いずれも素晴らしく、組合せの奥深さを感じました。また、決まりはなく、自分の感性で変化させながら創り上げる楽しさが伝わってきました。
飯野先生による盛り付けデザインのデモンストレーションのお題は“出来合いのお惣菜”。すべてが手作りでなくても、切り方、盛り付け方、小物の使い方、置き方など工夫しだいで、ホームパーティーの飾り付けがとてもお洒落になります。
1日目の最後には、明日のパーティーテーブルをどのような内容にするか、みんなで話し合い、メニューを決めて解散です。
2日目 「第7期ならではの尾道テーブルをつくる」
1日目に使用した食材に、尾道の乾物やバケット、福山のネブト、小ぶりなくわい、ジャンボコロッケ、内海町の海苔や地酒などが加わります。その素材を使って、尾道ならではの地産地消パーティーテーブルを、分担して作っていきます。
テーブルの上の野菜や果物がとてもカラフルだったので、私はそれを生かしたサラダを担当しました。飯野先生のアドバイスもあり、野菜を小さくカットし、V字型のグラスに盛り付け、ジャーサラダを作ります。グラスにドレッシングを何層か重ね、その上に野菜をのせ、外から見て層がはっきりするようになるべく細い箸を使って横のラインを意識して作ると、見た目にも鮮やかな美しいジャーサラダが完成しました。
野菜や果物をカットした断面の美しさや面白さにも気づかされました。また、スライスした野菜も重ね方をうまく工夫することで、可愛らしくなったり、華やかさが増してきたりします。
“くわい”は、関東方面では高級食材でお正月くらいしか使わないそうですが、こちらでは寒くなると出回り始めます。今回は小さな“くわい”なので、カラッと素揚げにしました。
瀬戸内ならではの小魚ネブトでは、受講生の方がすばやい手さばきで処理され、唐揚げに。そして、内海町の海苔もパスタに使ったり、はさみ揚げにと大活躍でした。
個性的なピックは、爪楊枝の先に尾道の小魚の干物を付けたものです。この話題だけでもパーティーが盛り上がりそうです。
安納芋のペーストは、絞り袋を利用してバラの形のトッピングにしたり、水引を使って箸や瓶に飾りを作ったりと、多才な受講生たちの手によって、テーブルがみるみる華やいできました。
最後は飯野先生による、尾道らしい尾道ならではのテーブルセッティングです。
ひとつひとつ思いを込めたお料理、飲み物がどんどん魅力的になっていき、華やかなパーティーテーブルが出来上がりました。このパーティーテーブルは、ここに集まった方たちの、「とにかく楽しもう」という思いや、「尾道を盛り上げていこう」という尾道自由大学のスタッフの方たちの思いが詰まったものです。
パーティーテーブルが完成した後は、全員で尾道パーティー。飯野先生、受講生のみなさん、尾道自由大学のスタッフのみなさんと共に、とっても楽しいひと時を過ごすことができました。
盛り付けデザイン学を終えて
2日間の授業はとても楽しく、あっという間に過ぎました。すべてが手作りでなくても、盛り付け、クロス、小物などの組み合わせで自由にデザインして、参加している人たちと一緒に作り上げていくパーティーはとても魅力的でした。早速、友人達、ご近所さん達とこの魅力を楽しみたいと思っています。
また、尾道自由大学の活動が尾道の活性化にとても貢献されている様子を見て、私も地域の方が楽しく集える場所づくりを、食を通じてしていきたいと思いました。
今回、ご一緒して下さった飯野先生、受講生のみなさん、スタッフのみなさん、たいへんお世話になりました。また、機会があれば尾道自由大学に参加したいと思います。
第7期卒業生 村上より子