「料理をお皿にもっと美味しそうに盛り付けるにはどうしたら…」「スーパーのお惣菜も美味しいんだけど、ちょっと見た目が味気ない…」こんな風に感じたことはありませんか?
日々の盛り付けに自由な発想とちょっとのセンスを加えることで、楽しい食時間を演出することは難しいことではありません。この講義では、尾道を舞台にお皿への盛り付け方やテーブルコーディネートのヒントを楽しく学んでいきます。
家族や大切な人のために想いを込めて、テーブルを素敵にコーディネートしてみませんか?
本講義の教授 飯野登起子さんはグラフィックデザイン出身で母としてお子さんを育てられた後、現在は料理の盛り付けやテーブルコーディネート、百貨店のディスプレーデザインなど様々な食の美味しさを「伝える」ための活動をされています。
飯野さんは、テーマを設けた料理研究会をご自宅で100回近く開催される一方、プライベートでは「green食堂」という少人数のゲストを招いたおうちパーティーを開催して来られました。お皿の上の食材も並べ方によって驚くほど印象が変わります。意外なメニューがパーティーフードになるなど、季節や目的に合わせた「魅せる盛り付け」を学んでみましょう。見るだけで美味しい、想いのこもった盛り付けに心を掴まれるはずです。
受講生の盛り付けの課題や疑問を解決すべく、実践を重ねていく2日間。1日目は座学と素材の盛り付けを通して盛り付けに関する固定概念を崩し、2日目の最終講義では受講生みんなでテーマを決め、尾道ならではのパーティーテーブルをつくりあげていきます。また、魅せる手段の一つとして写真撮影の簡単なヒントも学びます。対面型講義である1番のメリットである対話やコミュニケーションの中で、“食”の楽しさを再発見し、盛り付けデザインを通して表現の幅を一緒に広げてゆきましょう!
暮らしの中で感じられる「美しさ」。尾道のどこか懐かしい街並みには今も脈々と確かな暮らしが受け継がれています。古くから港町として栄えた尾道には文学や映画が生まれる気配があります。
講義の中では、洗練されたテーブルコーディネートや一皿の盛り付けの美しさはもちろん主役ですが、同じくらいに大切にしたいのが一つ一つの食材や器の持つ背景に触れて頂くこと。講義を通して出会う作り手さんや食材の産地との繋がりは講義が終わっても暮らしの中に続いて行き、あなたの暮らしに大切な存在が増える感覚を味わって頂きたいと思います。
今回のゲストは尾道の商店街にある桂馬蒲鉾商店(創業109年 無添加の手作り蒲鉾)より女将の村上芳子さんにお越し頂きます。
村上芳子さんのご紹介
今回のゲスト・村上芳子さんは大正二年創業「桂馬蒲鉾商店」の3代目女将。初代が京都の和菓子から着想を得たという「食べて美味しい」ことは勿論、味わう前に「目でも見て楽しめる」蒲鉾を化学調味料や保存料無添加の昔ながらの製法で作り続けられています。村上さんは初代の想いを大切に受け継がれながら、尾道の四季を「蒲鉾(かまぼこ)」で表現するということに取り組まれています。
旬の素材や季節のモチーフを取り入れた彩り豊かな蒲鉾は多くの人を惹きつけてやみません。映画監督の大林宣彦さんもその1人で桂馬蒲鉾100周年の折には記念冊子に寄稿もされています。(僭越ながら、私の叔母も桂馬さんの蒲鉾が大好物です。)また、昭和の文豪 志賀直哉さんの「暗夜航路」には初代の祖母が「隣の親切な婆さん」として登場するなど、桂馬蒲鉾商店の歴史を辿るとエピソードが尽きません。
今回、講義の中で実際に店舗を訪れ、村上さんの思われる尾道の魅力や村上さんが暮らしや仕事の中で大切にされていることなどを伺った後、フィールドワークとして「夏の蒲鉾の盛り付け」を目と舌で味わい、そのスタイリングや見せ方をテーマにディスカッションを行います。
「2013年12月に始めて訪れた尾道、その魅力は東京に戻っても暫く興奮冷めやらぬものがありました。広大な瀬戸内海、豊富な海、山の新鮮な食材や美味しい料理、そしてこの地に住まわれる人達の魅力……そんな素敵な尾道で盛り付けデザインの世界を通して沢山の方々にお会いしたいと願っています。」
(第19期募集開始:2022年4月8日)
○自己紹介
○普段の“食時間”や“盛り付け”に関する課題発表
○盛り付けデザインの魅力や楽しみ方を学ぶ。“干物と果物““肉じゃががパーティーフードに…”盛り付けデザインの魅力や楽しみを、飯野教授の作品と共に学ぼう
村上さんの思われる尾道の魅力や村上さんが暮らしや仕事の中で大切にされていることなどを伺った後、フィールドワークとして「夏の蒲鉾の盛り付け」を目と舌で味わい、そのスタイリングや見せ方をテーマにディスカッションを行います。
各自持参した器を用いて、野菜や果物を盛り付けデザインした後、一人一人の作品について講評とディスカッションを行った後、1つのお惣菜やお弁当を題材に、器の選び方や盛りつけ方で印象が変化する様子を、飯野教授が実践するデモンストレーションタイムを行います。“食材の切り方”、“置き方”の違いがもたらす効果や、“構図”“レイアウト”等、魅力的に写す撮影のヒントも学びます。
第1回~3回の講義を通して学んだことをヒントに、各自持参した器や食材を用い、自由に盛り付けデザインをしてみよう。尾道の食材を題材にみんなでつくったものや、購入したものを用いて、「尾道ならではの1テーブル」をつくろう。
品評会 / 完成した作品を基に、“食材の切り方や魅せ方”“器の併せ方”を、教授にアドバイスをいただこう。
尾道の食材を題材にし、受講生みんなでつくりあげたパーティー時間を愉しみましょう!