今回の「盛り付けデザイン学」は、尾道に通いはじめて10年の飯野教授がこよなく愛する向島(むかいしま)が舞台。向島を拠点に地域資源の「循環」を実践されている「立花テキスタイル研究所」の代表コレップファー・新里カオリさんをゲストに「島のめぐる暮らし」をテーマに開催します。
本講義では、飯野教授が尾道に足繁く通う中で大切に積み重ねてきた島とのつながりをふんだんに盛り込み「テキスタイル、持続可能な地域づくり / コレップファー・新里カオリさん」「器 / 恵谷幸史さん」「料理、0円食堂 / 伊藤浩さん」「野菜 / トーマス・コレップファーさん」など、島のつくり手とのコラボレーションが実現しました。
左)向島東製陶所恵谷幸史さんの器 × 飯野教授
右)ピッチフォーク ファームズ トーマス・コレップファーさんの野菜 × 飯野教授
「立花テキスタイル研究所」 新里カオリさんのテキスタイル × 飯野教授 (講義写真)
瀬戸内コミュニティハウスわたの家 伊藤浩さんの料理 × 飯野教授 (講義写真)
鉄鋼所から廃棄される鉄粉、家具屋さんや農家さんから出る木っ端、牡蠣の殻、年々増えていく耕作放棄地。一度は見放されたものたちを、染色技術を通してもう一度「資源」として捉え直したい。(立花テキスタイル研究所HPより抜粋)
ゲスト教授にお招きするコレップファー・新里カオリさんは大学でテキスタイルを学ばれた後、2008年に尾道に移り住み、地域のいらなくなったものの活用に目を向け、それらを染色材料として使用する「立花テキスタイル研究所」をスタート。瀬戸内海を望む畑で自然農を営むアメリカ人のトーマスさんと共に、たくさんの動物たちと暮らしながら「生きること、つくること、食べること」が丁寧に紡がれるものづくり、暮らしを実践されています。今回の講義は、2022年10月に移転したばかりの立花テキスタイル研究所の新しいスペース「引地(しきじ)」を舞台に、おだやかな瀬戸内海を眺めながら、島の時の流れ、空気を肌で感じ、心地よい暮らしのヒントを探っていきましょう。
教授の飯野登起子さんは、異色の経歴の持ち主。グラフィックデザイナー出身、3人のお子さんの出産、専業お母さん期を経て、大切な人との食時間を演出するテーマを設けた料理研究会をご自宅で100回近く開催されたり、プライベートでは「green食堂」という少人数のゲストを招いたおうちパーティーを開いてきました。現在は盛り付けやテーブルスタイリング、百貨店のディスプレーデザインなど全国を飛び回り、食の美しさをさまざまな切り口で「魅せる」「伝える」ことをお仕事にされています。
器の上の食材も、切り方、並べ方、小物づかい、色合わせによって驚くほど印象が変わります。季節や目的に合わせた盛り付けに、正解はありません。あなたの大切な人と、どんな食時間を演出したいか、たのしみながら形にしていくヒントをお伝えします。
「料理だけでなく、器も、テーブルも、空間も、そして、それを食べる私達自身も、すべてをデザインして整える」これが飯野教授の盛り付けデザイン。器、テキスタイル、島の食材をつかったおいしい料理が揃い、パーティーテーブルをコーディネートしていきます。島時間を堪能したあなたの「好き」を盛り込んだ盛り付けデザインは、どんな作品になるでしょう。より魅力的に魅せるスタイリングのコツや写真撮影のヒントも学べます。デザイン、センスに自信のない方でもご安心ください。自分の中の好きを再発見し、盛り付けデザインを通して、表現の幅を一緒にひろげていきましょう!
《特別な体験》
・講義の盛り付けでは立花テキスタイル研究と飯野教授がプロデュースし恵谷さんが製造された器を使用します。
・講義で中で使用するテキスタイルは畑の野菜や植物を用いた叩き染めという手法を用いて自分たちで染めます。
*上の写真は講義イメージです。
「2013年12月に始めて訪れた尾道、その魅力は東京に戻ってもしばらく興奮冷めやらぬものがありました。広大な瀬戸内海、豊富な海、山の新鮮な食材やおいしい料理、そして、この地に住まわれる人達の魅力……そんな魅力的な尾道で盛り付けデザインの世界を通して沢山の方々にお会い出来るのを楽しみにしています!また本講義では念願だった地元のつくり手さんたちとのコラボレーションが叶いました。魅力的なライフスタイルを送られているカオリさんと旦那さんのトーマスさんと一緒に、あらたな尾道の食のたのしみ方を味わってみましょう。」
(第21期募集開始:2023年1月3日)
(ツアー)カオリさんの工房&ご自宅&畑などをご案内していただきます。
(昼食)トーマスさんのお野菜などをつかったランチ@引地
(座学)カオリさんの大事にされているものづくりと環境へのこだわりについて聞いてみよう。いますぐ暮らしに活かせる「循環する暮らし」の可能性とは?
(実践)畑での収穫&野菜をつかった叩き染め
ランチョンマットを叩き染めという手法でデザインしてみよう。
・(座学)飯野先生より暮らしと盛り付けデザインのエッセンスとは。
・(ディスカッション)「あなたの好きなことはなんですか?」「好き」を仕事にする教授お2人の話を聞いて、みんなでディスカッション。
・飯野先生による盛り付けのデモンストレーション
・本講義オリジナルの器×向島在住の料理人 伊藤さんのオードブル×叩き染めのランチョンマットを素材に、パーティーテーブルをつくろう。
・完成した作品を見ながら、盛り付けのポイントや見せ方の工夫についてのお話&撮影タイム
・印象に残ったこと、学んだことなどシェア。
・新たに生まれた疑問や質問をシェアしよう。