暮らしの中で大切な「食べる」ということ。家族や友達、大切な方のために、日々の食卓をもっと素敵にコーディネートできたら…と思っている方も多いのではないでしょうか?美味しいご飯にちょっとのセンスを加えることで、たのしい食時間を演出することは難しいことではありません。
今回の「盛り付けデザイン学」は、飯野教授と一緒に尾道の隣の向島(むかいしま)で地域資源の「循環」を探求・実践されている「立花テキスタイル研究所」のコレップファー・新里カオリさんを訪ね「島の巡る暮らし」をテーマに開催します。
カオリさんは大学でテキスタイルを学ばれた後、2008年に尾道に移り住み、草花や造船所の鉄くず、牡蠣の殻など足元にあるものに目を向け始めたことをキッカケに立花テキスタイル研究所をスタートされました。瀬戸内海を望む畑で自然農を営むアメリカ人のトーマスさんと共に、たくさんの動物たちと暮らしながら、持続可能な暮らしのためのアイデアを日々実践中。つくり手としてだけでなく、学校の講師やラジオ番組のパーソナリティーとしても活躍されているカオリさんの周りでは、様々な人や資源が有機的につながり合い、日々暮らしをおもしろくするユニークなアイデアが生まれています。
▼立花テキスタイル研究所 info
ホームページ https://tachitex.com
インスタグラム https://www.instagram.com/tachibanatex
鉄鋼所から廃棄される鉄粉、家具屋さんや農家さんから出る木っ端、牡蠣の殻、年々増えていく耕作放棄地。一度は見放されたものたちを、染色技術を通してもう一度「資源」として捉え直したい。(「立花テキスタイル研究所」のホームページより)
カオリさんの島での暮らしの中では「生きること、つくること、食べること」が地域の自然や人とのつながりの中で丁寧に紡がれています。今回の講義は、2022年10月に移転したばかりの立花テキスタイル研究所の新しいスペース「引地(しきじ)」を舞台に、「器」、「料理」、「野菜」など、島のユニークなつくり手の方々とのコラボレーションがこの講義ならではのポイントです。おだやかな海を眺めながら、島の「豊かさ」に触れ、これからの暮らしのヒントを探っていきましょう。
器 向島東製陶所
恵谷幸史さん
料理 瀬戸内コミュニティハウスわたの家
伊藤浩さん
野菜 ピッチフォーク ファームズ
トーマス・コレップファーさん
テキスタイル 立花テキスタイル
コレップファー・新里カオリさん
教授の飯野登起子さんは、異色の経歴の持ち主。グラフィックデザイナー出身、3人のお子さんの出産、専業お母さん期を経て、現在は盛り付けやテーブルスタイリング、百貨店のディスプレーデザインなど全国を飛び回り、様々な食の美しさを「伝える」ための活動をされています。飯野さんは、過去にテーマを設けた料理研究会をご自宅で100回近く開催されたり、プライベートでは「green食堂」という少人数のゲストを招いたおうちパーティーを開いてきました。器の上の食材も、切り方、並べ方、小物づかい、色合わせによって驚くほど印象が変わります。季節や目的に合わせた「魅せる盛り付け」は、技術だけではありません。あなたの大切な人をイメージし、どんな食時間を演出したいか、たのしみながらかたちにしてみましょう!
最後は、カオリさんに教わりながら叩き染めという手法でランチョンマットを染めます。そこに、向島の陶芸家さんの器、おいしい料理でパーティーテーブルをコーディネートしていきます。盛り付けた作品をより魅力的に魅せるスタイリングのコツや写真撮影の簡単なヒントも学べる三度おいしい本講義。“食”のたのしさを再発見し、盛り付けデザインを通して表現の幅を一緒にひろげていきましょう!
*上の写真は講義イメージです。
「2013年12月に始めて訪れた尾道、その魅力は東京に戻っても暫く興奮冷めやらぬものがありました。広大な瀬戸内海、豊富な海、山の新鮮な食材や美味しい料理、そしてこの地に住まわれる人達の魅力……そんな魅力的な尾道で盛り付けデザインの世界を通して沢山の方々にお会い出来るのを楽しみにしています!また本講義では念願だった地元のつくり手さんたちとのコラボレーションが叶いました。魅力的なライフスタイルを送られているカオリさんと旦那さんのトーマスさんと一緒に、あらたな尾道の食のたのしみ方を味わってみましょう。」
*改装作業中の引地で開催した前回講義の様子
(第21期募集開始:2023年1月3日)
(ツアー)カオリさんの工房&ご自宅&畑などをご案内していただきます。
(昼食)トーマスさんのお野菜などをつかったランチ@引地
(座学)カオリさんの大事にされているものづくりと環境へのこだわりについて聞いてみよう。暮らしに活かせる「循環する暮らし」の可能性とは?
(実践)畑での収穫&野菜をつかった叩き染め
ランチョンマットを叩き染めという手法でデザインしてみよう。
(座学)飯野先生より暮らしと盛り付けデザインのエッセンスとは。
(ディスカッション)「あなたの好きなことはなんですか?」「好き」を仕事にする教授お2人の話を聞いて、みんなでディスカッション。
・飯野先生による盛り付けのデモンストレーション
・本講義オリジナルの器と向島在住の料理人「穀灯」シェフ伊藤さんによるオードブルを素材に、パーティーテーブルをつくろう。
・完成した作品を見ながら、盛り付けのポイントや見せ方の工夫についてのお話&撮影タイム
・講義の中で印象に残ったこと、学んだことなどシェア。
・講義の中で生まれた新たな疑問や質問を聞いてみよう