風景を自分のものにする
普段、見落としてしまっている素敵な風景。
見慣れた景色も、見る目を養うことで見え方が変わります。
同じ場所でも、訪れる度に感じ方は変わり、ある時、ふと “帰ってきた” と懐かしさを感じた。そんな体験をしたことがありますか?
携帯のカメラでも簡単に綺麗な写真が撮れるようになりましたが、一眼レフカメラで撮影された写真には、それとは全く違う趣があります。この違いはどこから来るのでしょうか?
本講義では、京都を拠点に活躍されている写真家中島光行さんと共に、尾道のまちを歩き、その時に出会った風景や自分の感じたことを写真を通して表現するためのレッスンを行います。ファインダー越しに見る尾道は、あなたの目にどのように写るでしょうか?
尾道の街並みと写真
中島さんに尾道の街並みについて伺った時、「尾道は、目線がおもしろい」と話されました。尾道は、街並みも人も猫も、どこを切り取っても絵になります。細い路地を行き、曲がり角を曲がり、坂を上り下りする中で、自分の撮影した写真を見ると、自然と普段とは違う目線の動きになっていることに気付くはずです。
教授の紹介
中島光行さんは、京都を拠点に、20年以上にわたり国宝や重要文化財を含む数多くの文化財、美術館の所蔵作品などの撮影を手掛けて来られました。特に寺院の写真は評価が高く、京都の風景や職人の技を写した写真には、その場の確かな気配が感じられます。また、Webページや本を通じて、知る人ぞ知る寺院やお堂などを紹介する『三度目の京都』プロジェクトの発起人でもあり、その写真は多くの雑誌や京都の郵便切手にも使われるなど、写真を通してその魅力を多くの人に伝えています。
▶︎Mitsuyuki Nakajima オフィシャルホームページ
写真を通して“表現”する
観光パンフレットのような写真や、日常をただ記録するための写真ではない、“表現”する写真とはどういうことでしょうか?
講義の1日目は、まず、F値、シャッタースピード、ISO感度と言ったカメラの使い方や、ピント、被写界深度といった写真の基本を学び、風景を自分のイメージ通りに切り取る感覚を掴みます。
そして2日目は、前日に学んだことを踏まえつつ、知識やテクニックに捉われず、目線の動きや構図など、その時に出会った風景や自分の感じたことを“表現”する写真が撮れる様にシャッターを切っていきます。
教授からのメッセージ
「自分の好きなもの」を見つけ「自分らしい写真」で伝えるためのトレーニングを通して、写真の撮り方は勿論、モノの捉え方や視点の提案について一緒に考えてみましょう。1つの町を何度も何度も歩き、撮影してみることで、町の見え方や印象がかわっていくことを実感して貰えたら嬉しいです。
講義風景の紹介動画
(第5期募集開始日:2020年10月18日)
・自己紹介、写真の紹介
・写真の魅力について、中島教授の作品と共に学ぼう
・写真の基本について学ぼう
・写真で“伝えたいこと”を表現するには
・基礎知識 (「絞り」「シャッタースピード」「ピント」「ISO」「レンズ」...etc)
・構図
・実践(まち歩き撮影① “伝えたいこと”をイメージしながら撮影してみよう)
・撮影した写真の発表&ミニ講評会
・質問タイム
・撮影した写真を発表しよう。(1日目を受講された方はその中で撮影した写真)
・自分の“伝えたいこと”に対して、構図や光など、教授による撮影のアドバイスを受けます。
・質問タイム
・尾道のまちへ撮影に出かけ、様々なシチュエーションでの撮影を行います。
・自分の“伝えたいこと”に対して、教授からアドバイスを受けながら撮影して行きます。
・昼食時には、食事風景を撮影してみよう。
・受講生同士でお互いにモデルになり、旅のポートレート撮影をしてみよう。
・自分の撮った写真の中から1人3点を選びプレゼンテーション形式で発表。
・教授による写真の選び方やタイトルの付け方などのアドバイスを受けます。
・最後は全員で講評会/ディスカッション。