講義名:三度目のオノミチ | レポート公開日:2016年06月20日
こんにちは。「三度目のオノミチ」第3期卒業生の木下陽子です。京都で、主人の経営するスペイン料理店、ラ マーサ、エル フォゴン、ラ ガジェガ(2016年6月11日に新店舗バラッカに移転)の料理写真などを担当しています。
5年ぐらい前に講師である中島光行教授にお店の料理写真を撮って頂いている時に、「私もカメラを始めてみような?」と思い、写真教室に通いだしました。中島教授の撮影の度に、近くで撮影風景を見させて頂き、見よう見まねで私も撮り始めました。そんな中、中島教授がFacebookなどで投稿している尾道の写真を拝見し、「尾道ってどこ?」という興味から始まり「何で三度目なのだろう?」「そんなに良い場所なのかな?」と思い、友達のカメラ女子に「尾道でこんな講義があるけど、行ってみない?」と誘って受講したのが、去年の夏の事(同講義の第2期)でした。
その時に受けた講義の内容や、初めて訪れた尾道がとても良かったので、是非2回目も参加しようと心に決めていました。中島教授も、「三度目で良いなと感じた風景が、自分の本当に好きな町だった」と仰るように、一度や二度ではわからない尾道の魅力を自分自身で感じてみたかったのです。
前回は7月で非常に暑かったのですが、偶然にも花火大会の日程と重なっていて、ナイトライフも楽しめました。今回は4月下旬で、気候もとても良い季節。夏に訪れたときと大きく違ったのは「緑」。新緑がとても綺麗で、電車から見えた途端に一気にテンションが上がりました。
ただいま、故郷のようなオノミチ
駅を降りてみると、なんだか懐かしい感じ。「ただいま」と言いたくなる、まるで尾道が故郷のような、そんな感じがしました。尾道自由大学までの道のりも懐かしい。線路沿いをてくてく歩き、石の階段を登ったところにキャンパスはあります。「今回はどんな受講生が来るんだろう?」と、ワクワクしながら生徒の皆さんを待ちます。
全員集合し、1コマ目は自己紹介と宿題発表。今期は、岡山、尾道、京都(私)からの受講生が集まりました。事前の宿題として、尾道の印象的な写真を1枚撮ってくるように、との事でしたので、前回7月に撮った写真の中で一番気に入った写真をプレゼンしました。前回は初めてのオノミチだったので、「尾道らしい写真を撮らなければ、、、」という考えがあり、偏った写真ばかりになっていたような気がしますが、今回はそんな固定観念は捨てて、「撮りたいものを撮ろう」と心に決めていました。
そして今回は、尾道歴75年の“尾道寅次郎さん”がスペシャルゲストとして来てくださり、ディープな尾道を歩きながら、「自分だけの尾道、自分が好きな尾道」を探して行く事になりました。
1コマ目が終わったらお昼。尾道と言えば、ラーメン。どうしてもラーメンが食べたかったので、「めん処みやち」で食べました。「天ぷら中華」なるものがあり、珍しいので頂く事に。うどんの出汁にラーメンと天ぷらが入っている感じでした。上手く説明出来ませんが(笑)。単焦点レンズで撮影。
そしてキャンパスに戻り、2コマ目ではカメラの基本的な使い方(絞り、シャッタースピード、感度(ISO)の役割や、構図)などの基礎について学んでいきました。この座学の時間はとても大事。教授の丁寧な説明を頭で理解していき、3コマ目から実践していきます。
3コマ目は、お待ちかねの「尾道寅次郎とめぐる尾道散歩」。坂道、寺、小道と、あらゆる路を歩きながら、自分が好きな尾道を写真に写していきます。かなりディープな散歩となりました。
夜は特別に、寅次郎さんが夜景を観に「浄土寺山」に連れて行って下さいました。昼間の尾道とは違う表情で、いくら見ていても飽きない夜の風景。
浄土寺山からの風景
夜景を堪能した後は、中島教授と寅次郎さんと受講生の皆でご飯を食べに行きました。尾道グルメを堪能し、途中から「尾道デニムプロジェクト」のスタッフさん達とも合流したりして、みんな仲良くなりました。凄く沢山歩いた1日だったので、思ったよりカラダは疲れていたようで、ぐっすり眠れました。
自分だけのオノミチ
2日目の朝、相変わらず早起きし、パンを買いに行こうと商店街の中の「パン屋航路」さんに行きました。志賀直哉の小説である『暗夜行路』にかけてあります。
いつも地元の方々でにぎわっている大人気のパン屋さん
丁度揚げたての「カレーパン」(一番人気)が並んだのでそれと、春らしく「春キャベツとサーモン」のパンにしました。
2日目は、前日のフィールドワークで撮影した写真の中から数枚選び、テーマと共に発表。「何を伝えたくて撮ったのか」を誰かに説明したり見せたりすることで、撮影したときの想いを思い出します。
私が選んだのはこの写真。一見、尾道ってわからないですが、それで良いんです。鉄格子の鋭い感じと、バックの緑の柔らかさのコントラスト。
セピア色でも撮ってみたり。これは額縁効果、応用編。被写体は教授です。1コマ目の後はお昼!昔、寅次郎さんが経営されていたという尾道ラーメン「壱番館」に行きたかったのですが、ゴールデンウィークということもあり長蛇の列だったので、尾道寅次郎さんおすすめのビストロでハンバーグランチを頂きました。
キャンパスに戻り、午後からは最後のフィールドワーク。「自分だけの尾道」をテーマに作品を撮りに町歩き。私は寅次郎さんについて行き、ひたすらシャッターを切りました。
尾道寅次郎さん
線路、路地裏、商店街のおばちゃん、港、果物屋さん、猫…何をとってもフォトジェニックな街です。時間の許す限り、撮影をして、大学に戻り、最終講義では卒業制作として、その中から3作品を選び、タイトルを付けて発表しました。
私のお気に入りはこちら!タイトルは「キラキラアイスモナカ」です。港を寅次郎さんと歩いている時に暑かったので、からさわのアイスを購入し、溶ける前に片手で撮影。写真の表現として、右上にキラキラが出たのが嬉しかったです。(キラキラ出すの、難しいんですよね)
まとめ
カメラは、使い方の基本とちょっとしたテクニックを習うだけで、素敵な写真を撮る事が出来るようになります。あとは経験。撮り続ける事が大事ですし、撮影した作品を人に観てもらって意見を聞くのも、とても大事。他の人の作品を見るのもとても勉強になります。
季節ごとに、全く違う顔を見せてくれるオノミチ。次回は私にとって本当の意味で「三度目のオノミチ」になるので、とても楽しみです。しかし、良く歩いた2日間でした。尾道は「歩くまち」。絶対、ペタンコ靴がおすすめです!
(text:三度目のオノミチ 第3期卒業生 木下陽子)